取引先から「この契約書でお願いします」と言われたら――署名前に確認したいポイント

契約・取引のケーススタディー

新しい取引が決まり、取引先から契約書が届いた。「当社のひな型なので、この内容でお願いします」と言われたものの、そのまま署名してよいか分からない。

法務担当者のいない中小企業にとって、こうした場面は珍しくありません。受注を逃したくない一方で、内容を十分に理解しないまま契約することにも不安があるのではないでしょうか。

まず確認したいのは、「話し合った内容が書かれているか」「自社で対応できる条件か」という点です。

ケース:打ち合わせでは決めていない条件が書かれていた

※以下は想定事例であり、実際の受任事例ではありません。

小規模な制作会社が、新しい取引先からホームページ制作を受注することになりました。制作内容と料金は打ち合わせで合意し、見積書も提出しています。

その後に届いた契約書を読むと、気になる点がありました。

  • 予定していなかった修正作業まで、料金に含まれるように読める
  • 納品後、相手の確認が終わるまで報酬が支払われない
  • 相手の都合で中止になった場合の精算方法が分からない

担当者からは「他社も同じ書式です」と言われています。修正を求めてよいか迷い、署名前に相談することにしました。

1.契約書を、実際の仕事の流れに当てはめる

契約書の文章だけを読んでいても、問題に気づきにくいことがあります。受注から作業、納品、入金までを思い浮かべ、次の点を確認してみましょう。

  • 何を、どこまで行う仕事か
  • 追加の依頼があったら、料金や納期を変更できるか
  • いつ、どのような条件で支払われるか
  • 途中で中止になったら、作業済みの分はどうなるか
  • ミスがあったとき、どこまで責任を負うか

今回のケースなら、契約書と見積書を並べ、作業範囲や支払条件に食い違いがないかを確認することが出発点になります。

2.「相手のひな型」でも、確認や修正の相談はできます

相手の書式が、今回の取引にも合っているとは限りません。変更したい点があれば、理由を添えて相談する方法があります。

例えば、「今回の見積りは修正2回までを前提としているため、その点を契約書にも反映したい」と伝えれば、取引の条件として話し合いやすくなります。

すべての修正が受け入れられるとは限りませんが、気になる点を確認しないまま署名する必要はありません。

3.修正したい点には、優先順位をつける

契約書に気になる点が複数あっても、すべてが同じ重要度とは限りません。

契約前に明確にしたい点、ほかの条件と合わせて調整できる点、内容を理解したうえで受け入れるか判断する点に分けると、協議を進めやすくなります。

取引金額や継続性、自社の対応体制によっても、重視する条件は変わります。

契約レビューでは、判断と交渉に必要な材料を整理します

弁護士による契約レビューでは、条文の意味を説明するだけでなく、実際の取引でどのような負担が生じるかを整理します。

そのうえで、修正の優先順位、相手に提示する修正案、変更を求める理由を検討します。「受注は進めたい」「相手との関係を保ちたい」「回答期限が迫っている」といった事情もお伝えください。

署名前に、不安な点を整理しませんか

当事務所では、取引先から提示された契約書の確認や修正案の作成について、ご相談を承っています。

「このまま署名してよいか」「どこを優先して修正すべきか」とお悩みの際は、お問い合わせください。問題点をご自身で特定できていなくても、ご相談いただけます。

初回相談は無料です。契約書レビュー等の業務費用は、着手前にご案内します。

契約書の種類、気になっている点、相手への回答期限を、分かる範囲でお知らせください。資料は、必要に応じて後ほどお送りいただきます。

契約書作成・チェックの内容・費用を見る

契約書の確認や取引上の相談が継続的に発生する場合は、外部法務サポート・顧問契約もご相談いただけます。

執筆:弁護士 田村 遼(群馬弁護士会所属・ニューヨーク州弁護士)

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